最近、父が亡くなった。
危篤になった時に、みんなで、心配して父を見つめていた。
家族の中には、苦しそうな様子を見ているだけで倒れそうな者もいた。
家族のAが言った。
「人間は、魂の存在だから、お父さんは今だって、上から見ているんだと思うよ。」
そしたら、父のメッセージをキャッチした。
「Aは賢いな~」
って言うのを、頭の中で聞いた。
感心している父の声を。
と、同時に、父の首がAの方を向いて動いていた。
まるで、「その通りだよ」
と、言っているみたいに思えた。
その後も、父が「Bか?」
と、他の家族Bのことを呼ぶのもキャッチした。
妄想といえば妄想かもしれないが、
しゃべることができないが、耳や意識で誰がいるのかを感じ取って、
おしゃべりしているみたいだった。
その後も、話に相槌を打ったり、笑ったりしている気がした。
体は苦しそうなのに、時々相槌を打ちながら、みんなの話を聞いているような気がした。
父とはとても仲が良かったので、テレパシーが通じたのだろうか。
父が近くにいたのは、その日までで、それ以降は、生きているのに、
遠くにいってしまったように感じた。
テレパシーも感じられなかった。
亡くなった連絡を受けて、病院へ行った。
「お父さん、来るのが遅くなってごめんね」と心の中であやまっていたら、
「いいんだよ」という父の声が頭に聞こえた。
亡くなった父を見ても、もうその中にはいないと思った。
器から自由になって、もっと広がった存在になったんだと思った。
亡くなった時、涙が出たけど、すぐに悲しくなくなった。
もう苦しくはないし、自由でもっと近い存在になった気がした。
今までは、会いに行かないと会えなかったけど、今はずっとそばにいるんだと思った。
寡黙な人だったから、あまりおしゃべりはしてくれないかもしれないが、
この前みたいに、言いたいことがあればテレパシーをしてくれる気がしている。
友達のことを考えていると、その人から電話がかかってくる、ということがあるけど、
それってね、意識で電話しているんだ。
だから、生きてる人にも、なくなった人にも、電話をすることができるんだと思う。
亡くなっても意識は体から離れるだけで、存在しているんだと思う。